初めての海外留学を決意するまで
英語はできないが趣味は海外旅行
私は作業療法士という仕事をしながら、休みをもらってはよく国内旅行、海外旅行をしていました。特に海外旅行は常に新しい経験や価値観を与えてくれるので大好きな趣味の一つです。
ただ私の英語力はほぼゼロでした。
今の時代、英語力がなくても、ネットを駆使すれば事前に色々な情報を集めることができます。それは空港での乗り継ぎの方法、地下鉄の乗り方、美味しいレストランの場所、街ではどんなことに気を付ければいいかなど、予備知識は万全で街を歩くことができます。ある程度の都市ならWi-Fi環境は整備されてるし、SIMを購入したり、Wi-Fiをレンタルすれば、簡単にネット環境は手に入れられます。なので英語が分からなくても旅行はできました。
言葉が通じなくても伝わる?
ヨーロッパに行ったときのこと、どうしても分からないことがあり、近くの案内所の若い女性に拙い英語と指差しで尋ねたのですが、私はその女性の説明が理解できず、辛うじて聞こえてくる単語や口調で、その女性がすごくイラついているのは直ぐに分かりました。
また別の旅で、カナダのとあるレストランに入ったときのこと、メニューは難しくて読めず、サーバーさんが一生懸命メモに絵まで描いて説明してくれているのに、何を説明されているか理解できず、サーバーさんが気の毒で申し訳ない思いもしました。
実際のところ、世界をみれば「英語が母国語で流暢です」というのは少数派だし、英語が話せなくたって気持ちが通じることは沢山あると思います。ただ英語は世界の共通言語なので理解ができたら「どんなに新しい世界が広がるんだろう」と真剣に考えるようになりました。
日本で英語学習を定着させる難しさ
さっそく仕事をしながら英語学習に取り組み、週に1回イギリス人の先生と英会話レッスンを始めました。
初めは意気込んで勉強していたのですが、英語と無関係な仕事をしながらでは、英語を習得したいという気持ちを持続させることは難しかったです。英語以外にもやりたいこともあり、途中で挫折してしまいました。
普通の人生より自由な人生
そんな中、なんとなくプライベートに区切りがついた(自由に自分らしく生きていこうと思った)ときに、ふとこの生活が途方もなく退屈に思えて仕方がありませんでした。
私と同世代の仲間たちはみんな結婚、子育て、またはバリバリ仕事に励んでいます。それが羨ましいわけでもないし、そうなりたいわけでもない。ただそんな普通の生活が無性につまらなく思えました。
職場を変えてみようか、引っ越ししてみようか、時間が経てば気持ちが変わるかもしれないなどと色々考えました。
色々考えて悩んだ挙句、というか最初から気持ちは決まっていたような気もします。あれこれ悩む時間が持てないくらい、必死に生活しなきゃいけないような環境に飛び込めばモヤモヤした気持ちが吹っ飛ぶんじゃないか。それは日本じゃなくて外国で自分を試してみよう。そう海外留学を決意した34歳の春でした。